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【第1回】六条くるるの浅墓短歌講座

 みなさん、ごきげんよう。六条くるるの浅墓短歌講座の時間です。

 早速ですがはじめていきましょう。今日のテーマは「二人称」です。

 短歌の作中主体が他者へと語りかける歌などで必ず登場するやつです。具体的には「君」とか「あなた」ですね。

 はっきり言わせてもらいますと、短歌を詠むときに安易に「君」「あなた」を使う人は浅墓です。嗚呼、浅墓なり浅墓なり。

 これのせいで台無しになってしまった短歌のどれほど多いことか。

 ……けれども安心してください。この講座はそういった無知蒙昧な人を救うためにあるのです。

 作歌の都合上どうしても使わねばならぬにも関わらず、二人称として「君」や「あなた」を使うことが禁止されたら一体何を使えばいいのか。そんな瑣末なことでお悩みなみなさんは「おまえ」を使ってみてはいかがでしょうか。

 なんだか偉そうな感じがしますけど、「貴様」よりも偉そう度はマシですし、「おまえ」っていうぶっきらぼうな表現の中にも不器用な愛が見え隠れするぶんだけ、「おまえ」のほうが断然良いと思われます。こういった絶妙なバランスの表現を取り入れることによってみなさんの短歌の詩としての強度は格段に向上します。詩というのは異化された言語によってつくられるものですが、日常から乖離しすぎた言語は読み手に理解されませんからね。

 さらに「おまへ」とすることによって短歌っぽさがアップします! これで勝てる!!!  実証するまでもないことなので例は載せませんが、それはみなさんが「おまへ」を使うことによって実感してくださいね。

 

 執筆者:六条くるる

(c)午前3時の六条会