読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

船頭は多いほうがいいのだろうか

船頭多くして船山に登る」

 この言葉は指図をする人が多すぎると、見当違いの方向に進んでしまうという意味であり、おおむね悪い意味で用いられる。

 しかし、このように考えたことがある人は小生だけではあるまい。船が山に登れるとかすげえ! と。

 物事がうまく進まないとか、当初の予定とは違う方向に進んでしまうのはたしかに好ましいことではなく、避けられるのも仕方のないことだと思う。けれども、今の時代にはこういったことが必要なのではないだろうか。

 かつての時代のように決められたことをきちんとこないしているだけで安定的な生活を遅れていた時代はすでに終わった。そういったルーチンから抜け出したところにこそ時代を切り開くチャンスがあるはずだ。

 船頭を多くしたわけではないだろうが、日本人による青色LEDやタンパク質のイオン化といったノーベル賞クラスの発見は、ルーチンから外れたところ、いわば失敗の中から生じたものである。こういったところにこそ閉塞感を打ち破る鍵があるのではないだろうか。

 たしかに、失敗には多くのリスクがつきまとうし、そういった無駄になるかもしれない部分にコストを投じる余裕のない状態であることは理解しているつもりである。が、リスクを取らなければかつてのような成功はありえないことを改めて肝に命じておくべきだろう、と提言して筆をおかせていただきたい。

 

 執筆者:六条捻

(c)午前3時の六条会