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親子丼の抱える矛盾

六条くるる バカエッセイ

 親子丼というのは、鶏肉をたまねぎなどと一緒に煮込み、鶏卵でとじたものをごはんに盛った料理である。

 

 これは鶏肉=にわとり=親、鶏卵=たまご=子という比喩によって名付けられた名前ではあるが、これには大きな矛盾が含まれている。

 なぜならば、同じどんぶりに盛り付けられているたまごXがにわとりAによって生まれたものであることは、確率的にほとんどありえないからだ。

 

 さらなる矛盾として、にわとりの種類の違いが挙げられる。通常、たまごを生むためのにわとりと鶏肉用のにわとりは別の品種であることを考えると、両者が親子である可能性はほぼ絶望的である。

 重ねて言うと、たまごを生むためのにわとりに関しては、たまごを生むことができないオスは食肉にも適していないので、シュレッダーにかけられて死ぬので、親子としてどんぶりの上で出会うことはありえないのだ……。

 

 まあ、奇跡的に再会しても両者とも死んで、無残な姿に成り果てているのですが。

 

 * たまごを生み、かつ食肉にもなる兼用の品種もいます。

 

 

 執筆者:六条くるる

(c)午前3時の六条会